ガラスの辞典

ガラス屋さんの仕事が役に立つガラスの知識まで

ガラスの強度について

 

ガラスが割れるには、ボールが当たったり、硬いもので叩かれたりと、表面に一定の衝撃が加わった時に起こりますが、実は直接的な原因がこの衝撃ではないということをご存知でしょうか。 ガラスは衝撃を受けると、受けた面に圧縮する力が働き、その反対の面に引っ張る力が働きます。この反対の面に発生する引っ張る力によってガラスが割れるのです。この力を引張応力と呼びます。 この引張応力を相殺し、割れにくくしたガラスが強化ガラスです。 強化ガラスには高温で加熱した後、急速に冷やすことによってできた特殊な層があります。 この層はガラスの表面の内部に形成されており、衝撃をうけても内側にある特殊な層の働きによってガラスが割れにくくなります。ガラスのメーカーの製品によりますが、大体普通の板硝子の3倍から6倍の強度をもっています。 また強化ガラスの特徴は割れにくいということだけではありません。 強化ガラスは割れると普通の板硝子と違って、粒状になって破片が散らばります。普通のガラスは鋭利な刃物のような形状となり割れますので、事故や災害時では割れたガラスによって怪我をすることも考えられますが、強化ガラスの破片では怪我はしないでしょう。 そのため強化ガラスは車両のフロントガラスや学校などで多く使用されています。